日本酒の種類

予備知識

精米歩合

精米歩合とは、白米のその玄米に対する重量の割合をいいます。精米歩合60%というときには、玄米の表層部を40%削り取ることをいいます。特に、特定名称の清酒に使用する白米は、農産物検査によって3等以上に格付けされた玄米または、これに相当する玄米を精米したものに限られています。
米の胚芽や表層部には、たんぱく質、脂肪、灰分、ビタミンなどが多く含まれ、これらの成分は、清酒の製造に必要な部分ですが、多すぎると清酒の香りや味を悪くしますので、米を清酒の原料として使うときは、精米によってこれらの成分を少なくした白米を使います。
なみに、一般家庭で食べている米は精米歩合92%程度の白米で、日本酒の原料とする米は、精米歩合75%以下の白米が多く用いられています。

醸造アルコール

特定名称には、使用できる醸造アルコール量の範囲は白米総重量の10%以下と規定されています。

日本酒の種類

本醸造酒

精米歩合70%以下の白米、米こうじ、醸造アルコール及び水を原料として製造した清酒です。
使用する白米1トンにつき120リットル(重量比でおよそ1/10)以下の醸造アルコールを添加をしてよいことになっています。

純米酒

白米・米麹及び水を原料として造ったお酒で、白米・米麹及び水のみを原料として製造した清酒で、文字どおり、お米だけで造られたお酒です。ただし、その「白米」は、他の特定名称酒と同様、3等以上に格付けた玄米又はこれに相当する玄米を使用し、さらに「米麹」の総重量は、白米の総重量に対して15%以上必要となっています。

吟醸酒・純米吟醸酒

米歩合60%以下の白米と米麹及び水、またはこれらと醸造アルコールを原料として吟味して造ったお酒です。
吟醸香と呼ばれる、リンゴやバナナ、メロンを思わせる華やかな香りが特徴です。
最後に吟醸香を引き出すために重量比でおよそ1/10以下の醸造アルコールを添加するお酒が吟醸酒です。
醸造アルコールを添加しないで米だけで作られたものは純米吟醸酒になり、一般に、他の吟醸酒に比べて穏やかな香りになります。

大吟醸酒・純米大吟醸酒

吟醸酒のうち、精米歩合50%以下の白米を原料として製造し清酒で、吟醸酒よりさらに徹底して低温長期発酵が行われます。
吟醸香を引き出すための少量の醸造アルコールが添加されており、醸造アルコールを添加せず、米、米こうじ及び水のみを原料として製造したものには純米大吟醸酒になります。

原酒

上漕後、割水もしくは加水調整をしない清酒。

生酒

製成後、加熱処理もしくは火入れを一度もしない清酒。牛乳などと同様に生もので劣化しやすいので、鮮度には注意が必要であり、冷蔵保存する必要がある。

ひやおろし

冬季に醸造した後に一度だけ火入れ(加熱殺菌)して、春・夏の間涼しい酒蔵で貯蔵・熟成させ、出荷前の2度目の火入れをせず気温の下がる秋に瓶詰めし出荷された清酒。
1度目の貯蔵前に「火入れ」するのは、安定して熟成させるため。冷蔵技術が発達した現在では、「火入れ」をしない生のまま低温貯蔵することも可能ですが、それでは熟成が進まず、秋口に熟成の旨みは出てきません。
2度目の「火入れ」をしないのは、熟成による風味をそのままお届けするため。熟成中に出てきたお酒本来の香りや、馴染んだ味わいが加熱によって壊されず、そのまま楽しむことができます。お酒本来の香味がいきる蔵出し風味、それが「ひやおろし」です。
出荷前の火入れを行っていないので、生酒と同じように冷蔵庫に入れて保管してください。